横高山・水井山(京都)〜初心者が雪山に行っちゃったやつ〜
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横高山・水井山(京都)〜初心者が雪山に行っちゃったやつ〜

横高山/京都府⛰767m

水井山/ 京都府794m

タイム: 時間 (休憩時間分)

距 離:km

標高差: m

コース:大原登山口バス停〜横高山〜水井山〜仰木峠〜野村別れ登山口

🌼常時携行品

ファーストエイドキット 着替え 充電器 ヘッドライト レインウェア

地図 コンパス ガスライター 十徳ナイフ 笛 ココヘリ発信機 財布

携帯トイレ ゴミ袋 ティッシュ ウエットティッシュ 手ぬぐい


持ち物🎒

水1L シングルバーナー 山フライパン コーヒーセット おやつ テーブル


 

2021年2月9日雪

2年前の日記である。書き出したのは1年前である。


わたしは雪国に住んでいたことがある。

一晩で、太もものあたりまで雪が積もって、真っ白にホワイトアウトした道路を、チェーンタイヤをつけたバスが平気な顔でずんずんと進んでいくようなところ。


だから、雪は身近な存在だ。屋根や庭に雪が積もっても、道路に雪があって凍結しても、

落ち着いて、正しい装備で、正しい動きをする。

でも雪山はこわい。当たり前だけど。

そもそも雪がなくても、山はこわいところだ。


去年の今頃?あ、ちょうど一年前だ。

山を歩き始めて1ヶ月、何をしても楽しくて、山のことをずっと考えていた。

地図読みの勉強を始めて、少しずつ近隣の山の名前も知って、登山のアプリを使うようになった。

このアプリがあれば、どんな山でも、ひとりでも、初めてでも歩ける気がしてた。


この日のわたしは浮かれた初心者で、どうしても今日も山を歩きたかった

空の色はなんとなく不穏なグレーだったけど、行けるところまで行こうと

「距離やコースタイムだけ」を見て、歩けそうな山を決め、登山口へ向かったのだ。


街では雪の気配はなかったのに

登山口に着いた時、周囲の山々にはうっすら雪がついて灰色の世界になっていた。

山頂付近には確実に積雪していると思われたし

一瞬、マズイかな・・・?って、胸がどきりとした。


初めて歩く山で、初めての雪山、ソロ、超初心者


歩いては行けない条件が揃っていて、今のわたしだったら行くはずがない山行


でも本当に本当の初心者過ぎて、山歩きの経験は片手で足りるほど

何より山を歩くことについて「考える」経験がほぼなかったわたしは歩き始めた

ザックに入っていた愛宕山用に買った軽アイゼンが、わたしを後押しした

自分で軽アイゼンを装着したこともなかったのに

登山道にはすぐにうっすらと新雪が現れて、その下には深く積もった落ち葉とガレた石ころがゴロゴロ。

後から知ったけど、夏でもほとんど人が歩かない登山ルートだった。

その上を注意深く歩きながら、向こうに見える灰色の山たちと目線が近くなっていくことに幸せを感じていた。住んでいた場所を思い出すのだ。山に囲まれた雪が降る場所。寒くて寂しくてでも心があたたかくなる風景。


風が吹けば、粉雪が目の前をキラキラと飛んでいく

世界はどんどん白くなって、その中にわたししかいない

さっきまで街の喧騒といたのに

今はこんなに綺麗で静かなところをひとり歩いている

きれいだなー

そう、ひとりきり

登山口から横高山の山頂まで、誰にも会わなかった

今思えば、やっぱりすごく危ないことをしているのだけど

この時はドキドキしてたけど、楽しくて幸せで、来て良かったなぁって思ってた

横高山と水井山の事は大好きになった

横高山に無事に登頂して、水井山への縦走では、他の登山者が現れて

トレースを追うこともできた

でも横高山・水井山の登山道にはかなりきつい急坂が何ヵ所かある。

雪がなくても転倒の危険性が高いような道。

この日幸いだったことの一つは、新雪しかなかったこと。

それ以前に降って凍ったアイスバーンなどがなく、本当にこの日に降った新雪だけで、軽アイゼンがなくとも、足元はしっかりとしたグリップがあった。

山頂からは雪の量も増えていて、いよいよ雪山の雰囲気になっていて

雪が降り始めて、吹雪になった

たまたまレイヤリングがうまく行っていたのか、何故か寒さはほとんど感じてなくて、きれいだなって思ってた

らっきょまで持ってきてる!

2座をなんとか縦走して、仰木峠まで下ってきた


近くに琵琶湖が見える場所を見つけて

ザックをおろして、持ってきたお米とクッカーで機嫌よくご飯を炊いた

家で作ったカレーを温め直して、炊き立てご飯と一緒に食べた

雪がチラつく中で、カレーの香りのするたっぷりの湯気と

眼下に広がる琵琶湖の眺望、歩いてきた道と、疲れた体に美味しく温かなカレー

歌でも歌い出しそうなほどに幸せで楽しい山歩きだった

無事に下山

うん。無事に下山できたから、とても楽しい日だったし

さらに山を好きになって、今もこうして山のことを考えることができている

本当に運がよかったと思う


あの日、天気がもっと悪くなっていたら

誰にも会わない山を選択していたら

雪が多い年で、雪がたっぷり残っていたら

装備が合ってなくて、怪我をしていたら

低体温になってしまったら


だってこの時の私は地図もろくに読めなかったし

山の天気の変化のことも考えられなかったし

ビバークする準備も知識もなかったし


あーーーー!怖い!!

考えれば考えるほど怖い!!

考えるのも嫌で長い間書ききれなかったけど、ようやく書けた

この戒めを、この幸運を、今後に生かすと誓います


いつもいつも

山はわたしの好きな場所でいてくれてありがとう

これからもそうであるように

もっともっと成長すると誓います

永く一緒にいられますように


合掌








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